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旬くんにはわかるまい~オラーの宿題編

オラー(天使)は水槽の中にいる金魚を見るように旬くんを見ている。観察している。見守っている。

旬くんは20歳半ばの長身のサラリーマン、二枚目ではないが人懐こい顔でいつも口をパクパクさせている。

それは独り言なのか愚痴なのか?不平不満、ストレス、コンプレックス、フラストレーション?そんな怒りの塊も何のエネルギーも感じない。

ただ、口をパクパクさせてオラーの水槽の中で漂っている。

  • そろそろエサでもやるか

オラーはエサをやってみた。いろんなエサをやってみた。

旬くんは何でも食った。一つ一つ食いついた。

毎日、食べて、働いて、休んで、また、食べて、働いて、休んで、一日一日を過ごす。毎日予定をこなすように・・・

  • 何のために生きているのか?と自問自答はないのだろうか?

やがて旬くんは運命の人(旬くんが勝手に思い込み)と出会い、結婚した。そして子供ができた。

  • 旬くん幸せかい?

旬くんは、周りの人に影響されやすく、すぐに熱くなり、すぐに愚痴を言う。そして見えないストレスを試され、更に自分からストレスを突っ込んでいくタイプだ。

旬くんなりに仕事や家庭、そして自身に降りかかるいろいろなこと。ちょっとした不安、不公平、挫折、困惑、葛藤、絶望・・・

  • 旬くんは何のために生まれてきたのか?疑問はないか?

それでも平然な顔で口をパクパクさせ生きている。

あまり考えない。

「そんなの関係ないね」と弾き飛ばす。それが旬くん。

これは旬くんの生まれながらのもので決して遺伝ではない。

毎日、食べて、働いて、休んで、また、食べて、働いて、休んで、一日が過ぎる。

運命の人と家族と過ごす当たりのように過ごす毎日

飯食って糞して寝る毎日

旬くんの魅力は特にない。少し人懐こい顔ぐらいだ。

ただ、旬くんはこれまで生きてきた。そして生きている。

これまで生きてきたということは自然淘汰されることなく遺伝子で勝ち残ったひとりなのだ。

天変地異や災害、事故、それに、伝染病、ウイルス蔓延などで巻き起こるパニックにも負けずに生きてきたのだ。

  • 旬くんがどう生きるのか?あまり期待できない。

やはり物語のキャラクターとしてはちょっと弱いか?

もう少し旬くんに寄り添ってみよう。

旬くんの目線で旬くんの世界観はどうだろう。何を考え、想像している。何を妄想しているのだろう。旬くんの感情はわかっても頭の中はわからない。

旬くんは口をパクパクさせ生きている。

なぜ、天使のオラーが旬くんに取り付いているか??

先日、神様が申された。

「陽が当たらぬ人に光を・・・」と宿題を出されたことを・・・

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