旬くんは20歳半ばの長身のサラリーマン、二枚目ではないが人懐こい顔でいつも口をパクパクさせている。
いつものように周りに人々に右往左往、ゆらりゆられて口をパクパクさせている。
いつものように旬くんを見ているとオラー(天使)に、
「おう、お前はそうやっていつも見てるだけかい?なんも仕事しないで楽でいいね。たのしそうだね。」
とぶっきらぼうに話しかけてくる天使がいた。
オラーよりちょっだけ早く天使になった先輩の天使である。
天使だから姿、形は自由に化身できる。
実物かどうかわからないがオラーより兄貴っぽい。
「お前から最近は何の報告もないって神様が言っていたぜ?」
報告?報告なんて聞いたことない。天使にそんなルールはない。何が狙いかわからない。適当に様子を見よう。
「最近、何も無くて・・・」
先輩天使は呆れた顔をして真相を話し出した。
簡単に言えば、自分は頑張っている。こんなに頑張っている。
数々の偶然、奇跡を起こし人間を見守ってきた。
それなのに誰も認めてくれない。
大天使様にするとか、その上の位の権天使様にしてくれるとかのそんな昇格の話もない。
神様から何のお声もかからない。
神様はどこを見ているんだ。
少し「疑心暗鬼」の気持ちになりかけた。
そこだけはしっかりと見つけられ
「天使たるもの心に鬼を住まわせることまかりならん」
いきなり大天使からイエローカードの警告を受けた。
続